八王子市の空き家実態について①
平成30年に八王子空き家実態調査が実施されています。調査は以下にて実施されました。
・調査名:八王子市空き家実態調査
・調査期間:平成30年(2018年)7月12日~平成30年(2018年)12月21日
・調査地域:八王子市全域186.38k㎡
・調査対象:町会・自治会等から提供された空き家情報
・配布数:2,800
・回収数:1,145(未回答等32を含む) 回収率 40.9%
・実施方法:郵送配布郵送回収
この報告書から抜粋し、今回は①使用状況、②原因、③建物の状態、④管理状況の4点について、報告書の要点をまとめてみました。
①空き家はいまどう使われていますか?
各地域で他の地域と比べて特に注目すべきポイントは、「中心市街地周辺」では、「週末や休暇等たまに使用している」45.7%という点です。中心地でセカンドハウス的に使用されているようですね。次に「一戸建住宅団地」では、「売却するため空き家となっている」28.7%、これは中古住宅として売れると想定されることを意味します。次に「一般市街地」では、「貸し家にしている(入居者募集中)」13.6%、これは賃貸したいのだが借り手がいないことも意味します。最後に「沿道集落地」では「特に理由がないが使用していない」18.4%が高くなっており、実際は放置されているようです。
中心地に近いほど使用率が高く、離れるにつれ使用されていない率が上がっています。やや利便性に劣る一般市街地で貸家率が高いのは注目されるポイントです。
②なぜ空き家になったのでしょうか?
最も多い回答は、「住んでいた人が別の住居へ転居した」で、次いで「住んでいた人から相続した」、「住んでいた人が老人ホーム等の施設に入所した」という回答が多くなっています。
地域別にみると、「中心市街地周辺」では、「住んでいた人から相続した」47.8%、「一戸建住宅団地」では「自身が住んでいたが転勤等で長期不在にしている」11.2%、「一般市街地」では「住んでいた人(賃借人等を含む)が別の住居へ転居した」30.8%、「沿道集落地」では、「老朽化して住めなくなった」9.2%が他と比べて高くなっています。
老朽化から移住などから、結果として空き家となるケースが一定数あるのは、建築年数にも関係がありそうです。
③今現在建物の状態はどうなっているでしょうか?
「問題なく住める」が369件(50.1%)、「一部改修すれば使用できる」が165件(22.4%)です。また「危険性はないが使用できる状態ではない」69件(9.4%)、「このままでは危険である」20件(2.7%)でした。
地域別にみると、「中心市街地周辺」と「一戸建住宅団地」では、「問題なく住める状態である」、「一部改修すれば使用できる」と使用できる空き家の割合が80%を超えていますが、「沿道集落地」では61.9%と約20ポイント低くなっています。
やはり中心地から離れるにしたがい、建物の維持管理が難しいのも理由のひとつかもしれません。
④空き家の管理はどうされていますでしょうか?
「定期的に自ら見回り・清掃等を行っている」273件(37.1%)、「不定期に自ら見回り・清掃等を行っている」257件(34.9%)ですが、「ほとんど何もしていない」44件(6.0%)となっています。維持管理の頻度は、定期的と不定期ともに、自ら見回り・清掃等を行っている方が、「月に1~数回程度」が高くなっています。
空き家を管理されている割会は、定期・不定期合わせ管理されている方が8割近くあり、それらの負担(体力・時間・金銭など)が今後の課題となってくることが予想されます。