なぜ今空き家が増えているのか①
「空き家」とは、一般的には「誰も住んでいない家」のことをいいます。
平成27年(2015年)5月に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「空家法」という。)」第2条第1項で定義される「空家等」は、「概ね年間を通して居住やその他利用がされていない建築物(住宅に限らない)」を対象としています。
また、総務省が実施している「住宅・土地統計調査」では、空き家を次の4種類に分類しています。
【住宅・土地統計調査における空き家の分類】
1.売却用の住宅…新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅
2.賃貸用の住宅…新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅
3.二次的住宅…別荘などの普段は人が住んでいない住宅
4.その他の住宅…1~3以外の人が住んでいない住宅で、転居・入院などで長期不在の住宅や取り壊し予定の住宅など
このうち、「売却用の住宅」、「賃貸用の住宅」、「二次的住宅」の空き家については、別荘などとして現に使用されていたり、売却や賃貸のために管理されていたりすると考えられます。
一方、「その他の住宅」に分類される空き家は、現に人が住んでおらず、長期にわたって不在であり、そのまま放置される可能性が高い空き家といえます。
いわゆる空き家として問題になる住宅はこの「その他の住宅」を意味します。
この「その他の住宅」は定期的な利用がされず、管理が不十分な状態となりがちであるため、その増加が近年の大きな社会問題になっています。